当人事制度の特徴は、何よりもチームワーク主義・人材(人財)育成主義であることだ。つまり、仕事の上でのチームワークを重視し、人材(人財)を育成することを重視することである。そしてさらに、次のような特徴を持つ。
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1.いわゆる正社員・正職員を対象とした人事制度である
2.いわゆる正社員・正職員は、全員が管理職・監督者、
もしくはその予備役もしくはその候補者、もしくはいずれそう
なるよう努力義務がある者として雇用する※1
3.いわゆる定年制を前提とする
4.いわゆる終身雇用を前提とする
5.上司による部下の育成義務を極めて重視する
6.人事制度以前に懲戒制度が機能していることを前提とする※2
7.考課は人材育成のPDCAサイクルのC(チェック)の部分に位置
付ける
8.前項ゆえ、人材育成の基準がまずありきとなり、考課基準は
人材育成の基準をそのままスライドして用いることとする
9.いわゆる定量的な評価はせず、いわゆる定性的な評価を考課に
用いる
10.考課は、能力考課と実務考課(業績考課)の2本柱とし、
それぞれの考課結果の反映先を異なるものとする(能力考課は等級の上昇へ。実務考 課は賞与へ)
11.基礎能力を細目単位で観る仕組みにより、好き嫌いだけで
人物評価をしてしまう確率を減少させる
12.考課結果の集計を全社的な教育計画・採用計画の参考とする
13.管理職と未管理職の雇用の区分を設け、区分間の相互の出入りを可能とする
14.区分の中に等級は設けるが号俸制は用いず、その代わり等級を細かくする(多くする)
15.人事制度上の職位は部門に関係なく、
1)部長クラス2)課長クラス3)現場リーダークラス
4)実務最前線クラス、の4階層とする。
16.前項を前提に、組織外に対する職位の呼称(対外呼称)および
組織内での指揮系統を明確にするための部門独自の呼称は、
各部門の設定に任せる。
17.前項の1)2)3)の階層には、「予備役」という枠組みを作る
18.月給の構成要素を「給与ベース+年齢給+能力給+職務手当+諸手当」とするが、特に「給与ベース+年齢給」を尊重すsる。
列挙していくうちに、特徴と言うより、具体的な組み立て方法のレベルになってしまったのでこの辺りで止めて、さらに詳しくはパート2以降で紹介する。
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いかがであろうか? いわゆるドラスティック(drastic) ※3な人事制度が好きな人から見ると、変哲もないというか、オーソドックスというか、なんら変革のない制度のように思えるかもしれない。特に「給与ベース+年齢給」を尊重するとした点などは、いゆわる成果主義が好きな人には軟弱な制度に思えるかもしれない。
しかし、パート2以降をよく読んで頂ければ、ある面、非常に厳しい人事制度でもあることが理解頂けると思う。とはいえ、決して厳しさ一辺倒ではなく、目立つ業績をあげることができなかった人やいわゆる日陰の部署に所属する人でも、それなりに能力が認められ等級に反映される制度であることも理解して頂けると思う。
が、いずれにしても、チームワーク主義であるゆえ、チームワークの実現への貢献の度合いが低い人間には厳しくあたることになり、偏狭な競争を煽る可能性が大きい人事制度とは対極であることには違いない。
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なお、ちなみに、世間一般で人事制度が語られる際、「公平公正な人事制度」という言い回しが筆頭に用いられることがあるが、私はこの言い回しを用いない。
なぜならば、公平であろうとする努力が過ぎると公正さを奪う可能性が出てくると私は思うのだが、それゆえ「公平公正」という形で二つの言葉を併せて使うのに抵抗感があるからだ。
もちろん、何事ごとも「機会は公平」に与えられなければならない、と私も思う。しかし、人事制度において特に考課、昇級(およびそれに伴う昇給)、賞与分配、役職・職制の任免等においては、公平に機会を与えた結果、各人が出した成果を評価するわけであり、成果に違いある限り、違いを明らかにするために厳しいまでの公正さが必要である。
つまり、少なくとも人事制度においては、公平さは過ぎると不都合を起こすが、公正さに関しては過ぎるという概念すら適用されない、と私は判断する。
それでは、次セクション以降、いよいよ具体的な方法論に入っていく。


