当セクションは、前セクションの註1(※1)の下段を補足するために設けた。
再度確認すると、MM式チームワーク主義育成型人事制度は、いわゆる正社員・正職員のための人事制度である。その観点からだけ見れば、区分と等級の枠組みは、前セクションの添付図の通りとなる。
しかし、どうしても「長期雇用フルタイム時給労働者」※1を枠組みの中に入れた制度としたいと考える経営者もいると思う。特に、いゆわる正社員・正職員の人数よりも、そうではない人たちの人数が多い会社においては、経営者(また労働組合)がそう考えるのは自然であり、それは健全なことである。
そこで私が提案するのは右図の枠組みである。が、これは「私が提案」することでもあるものの、たとえ私が提案せずとも、雑多な慣用語※1に耳を傾けずに、一人落ち着いて考えてみて頂ければ、自然に浮かび上がってくる構図だと思う。
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右図を説明するにあたり、まず前提として、「労働者」という言葉の意味を確認しなければならない。
最大限広く捉えれば、家事労働をする人であっても「労働者」と言えるし、経営者だって働いている以上は「労働者」と言える。この最大限の意味での「労働者」を、もしカタカナ英語にするのならば「ワーカー(worker)」と言っていいだろう。
逆に、意味を狭く捉えれば、家事労働者も経営者も除外され、いわゆる労使関係において「労」の側となる人たちを指すことになる。この狭い意味での「労」をもしカタカナ英語にするのならば「レイバー(labor)」と言っていいだろう。※2
図においては、「労働者」という言葉を狭く捉え、労働組合を結成し労使交渉をする権利が保障されている人たちを指すが、この権利はあくまで「労使」という相対的な関係において発生するものであるゆえ、図の表現上は「労働者側」とした。
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図の労働者側の枠内には、「一般従業員」という小枠があり、それ以外の小枠として「臨時従業員・パートタイマー」がある。
ここでいう一般従業員とは、法律でいうところの「雇用期間に定めのない従業員」※3に該当する。
臨時従業員とは、労働基準法第14条を前提に、雇用期間を定めた雇用契約を結んだ従業員を言う。※3
パートタイマーとは法律でいうところの「一般従業員に比べ労働時間が短い従業員」※4に該当する。
実際に自ら労働組合を結成する力があるか否かは別として、どの立場であろうとその権利は保障される。
ご存知の通り、労災保険は労働者全員に適用される。たとえそれが一日限りの雇用であってもだ。
雇用保険、厚生年金、健康保険は、条件を満たせば、どの立場であろうと適用されるが、実際には短期の臨時従業員・パートタイマーが条件を満たす率は低いだろう。だが、「長期雇用フルタイム時給労働者」は、それが具体的にどれほどの長期間なのかにもよるが、条件を満たす率は高いだろう。
この言い方が曖昧で嫌だと思う人は、後先を逆にして、雇用保険、厚生年金、健康保険の適用対象となる時給労働者を「長期雇用フルタイム時給労働者」と呼ぶ、と定義して頂いても結構である。
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MM式チームワーク主義育成型人事制度の独自の区分名称となる「未管理職」は、管理職を目指して努力することを義務として雇用したとしても、未だ管理職になっていない以上は、法律上は一般従業員の扱いになる。「未管理職」と「長期雇用フルタイム時給労働者」の違いは、前者が月給で、後者が時給という点である。
では、「未管理職」よりも低額の月給で、年単位の雇用契約にて働く人※5はどこに位置づけるのか? 「年」という期間の定めのある従業員となるので、正しくは臨時従業員なのだが、そうした従業員に対する雇用者側の期待は、おそらく「長期雇用フルタイム時給労働者」と同様かそれを以上であろうから、便宜的に「長期雇用フルタイム時給労働者」の枠に入れておく。
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図の中、3ヶ所に
という形の双方向の矢印があるのは、各区分間の往来を可能とするためである。
一般においても「正社員登用制度」という言葉が使われているようだが、それ以上に明るい事例として、或る古本販売のチェーン店にてパートタイマーだった人が能力を伸長していくうちに役員になったというケースがある。実力に応じて適切な職務に就いて頂くことを方針とするのであれば、まさにこうしたケースが発生してよいはずだ。
当セクションの図によって示した考え方も、こうしたケースに強く賛同する立場から形成した。
なお、この制度の枠組みがあれば、管理職・未管理職として雇用したものの後に不適性であると判明した際、解雇や転職勧奨することなく会社で引き続き働いてもらうことを可能とする受け皿ともなる。
さらに補足すべきこと・補足したいことは色々あるが、それはパート6のQ&Aコーナーにて行うことにして、次のセクションに移る。


