ビデオ講座「目標管理(MBO)のポイントと究極の効果」担当講師:蒔苗昌彦
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<セリフ>
■オープニング
いわゆる「目標管理制度」、つまりMBOのシステムは、多くの会社が導入しました。しかし、歳月がたつにつれ、中には、「本来の趣旨を再確認したい」と思う場合も出てくるでしょう。(成果)
当講座は、MBOの初心にかえり、改めてポイントを理解し、その究極の効果を目指す、短時間のビデオ講座です。
主な対象者は、経営者クラスです。しかし、MBOは、経営者のみならず、管理職、そして一般従業員までが、同じ理解に立つことで、威力を発揮するシステムです。
したがって、すべての社員・職員が受講することをお薦めします。
なお、当講座は、MBOを導入してから歳月がたつことを前提とした講座となりますが、これから導入するにあたっても、参考になる点があるはずです。導入を検討している組織の担当者も、どうぞご覧下さい。
01-01
皆さん、こんにちは! 司会の田中花子です。
このビデオ講座では、MBOのポイントと効果に関し、目標管理制度のコースを担当する講師に、的を絞って伺います。
01-02
先生、どうぞ、よろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします。
01-03
先生、MBOは、有意義なシステムと言われていますが、
実際には、どのようにシステムが機能すれば、効果を発揮したことになるのでしょうか?(成果)
01-04
その質問に答えるためには、まず、「MBOの発展段階」を示す必要があります。
01-05
「MBOの発展段階」・・・ですか?
01-06
はい。
田中さんのおっしゃる通り、MBOは、とても有意義なシステムです。しかし、ただ単に、目標を管理しているだけでは、そうはなりません。しかるべき発展をとげ、理想の状態に持ち込むことが必要です。
ここでいう「MBOの発展段階」とは、MBOが、どのように発展していくべきか、その理想を、段階的に示したものです。
では、画面を使って、さっそく「MBOの発展段階」を紹介しましょう。
01-07
「MBOの発展段階」は、状態別に、5つの段階とします。
まずは第1段階。
なにもMBOに限らず、どんな制度でも、その運営方法をよく理解する必要があります。
<第1段階>は、 社員各人がMBOの方法をよく理解するに至った状態を、指します。「MBOの入口に立つ段階」とも言えます。
<第2段階>は、 社員各人が、MBOを自分のモチベーションアップ、業績向上に活用できるようになった状態です。いわば、「個人活性化の段階」と言えましょう。
<第3段階> は、上司と部下のコミュニケーションに、MBOが貢献している状態です。
MBOを運営するためには、期首、期中、期末において、上司と部下がより一層、打ち合わせを密にする必要があります。正しくMBOを運営していれば、上司と部下のコミュニケーションが向上するのは、当然の結果とも言えましょう。裏を返せば、MBOを導入して何年も経つのに、上司と部下のコミュニケーションが悪いケースがあるならば、問題が潜んでいないか、調べてみる必要があります。
<第4段階> は、MBOにより、経営トップの目標が全体に行き渡っている状態を指します。
MBOでは、トップが立てた組織全体の目標を、徐々に具体化しながら、ライン末端まで浸透させていきます。これが実現すれば、第4段階に達したことになります。
いわば「MBOが組織の脊髄・神経となる」状態と言えましょう。
<第5段階> は、目標達成の事例を組織全体で共有化し、相互の情報提供による協力体制が確立された状態です。
正しくMBOを続けていけば、目標達成の事例が、多く溜まることになります。この事例を共有化し、社員がお互いに教え合う協力体制ができれば、理想です。
この理想の状態が、第5段階となります。
01-08
どうですか? 各段階をイメージできましたか?
ええ。おおよそは・・・
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さきほど頂いた、システムと効果に関する質問への答えと併せて、さらに説明しましょう。
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お願いします。
01-11
第1段階では、まず、制度の運営方法を理解すればそれでよいので、効果を期待する必要はありません。
01-12
そうですね・・・。第2段階になって初めて、効果が出てくるわけですね。(成果)
01-13
はい。第2段階は、個人単位で効果が現れた状態を指しますから・・・。
しかし、この段階では、MBOが組織運営のシステムとなったとは言い切れません。
01-14
そうなんですか?
モチベーションや業績が向上すれば、素晴らしいことだと思いますが・・・
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たしかに、素晴らしいことです。たとえ、この段階に留まったとしても、社員各人に対し良い刺激を与える手段として、MBOが有効であることには違いありません。
しかし、組織運営のシステムとしては、まだ物足りないと言えます。
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では、どうすれば、システムらしくなるのでしょうか?
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さらに段階が進めば、そうなります。
01-18
あ、そういうことですね。失礼しました。
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とはいえ、第3段階になっても、まだ、組織運営のシステムと言うには、不足です。
01-20
上司と部下の間で、コミュニケーションが向上すれば、これもまた、素晴らしいと思いますが・・・
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そうですね。コミュニケーションの大切さは、誰もが分かっているものの、実現はなかなか大変ですからね。
01-23
実際、企業経営で何が一番大切か、と聞かれた時、「社員間のコミュニケーションだ」と答える経営者、教育担当者が多くいます。
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しかし、第3段階では、上司と部下のコミュニケーション向上に、MBOが貢献したことには違いありませんが、組織運営のシステムと言うには、不足です。
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そこで、さらに次の段階に進むべき、ということですか・・・
01-27
はい。
第4段階は、MBOによって、トップの目標が組織全体に行き渡る状態です。
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しかも、トップの目標が、ただそのまま伝わるのではなく、社員の職位・職務に応じて具体化されながら伝わるわけです。ここまで来れば、システムと言えるでしょう。
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そうですね。人間の身体をシステムと呼べるのと、同じようなものですからね。
01-31
脳から発せられた信号が、身体の各所の機能に合わせて具体化され、行動につながる・・・・。これと同じように、MBOが機能すれば、充分なシステムと言えます。効果も充分に発揮したと言えましょう。
01-32
それにもかかわらず、さらに上の段階を目指そうとわけですね。
01-33
はい。
一般に、第4段階が、MBOの究極の姿、と思われています。
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しかし、私は、もう1段階上を目指すべき、と提唱します。
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さきほど解説したように、正しくMBOを続けていけば、目標達成の事例が、多く溜まることになります。それを、組織全体で共有し、情報提供しない手はありません。ITを利用すれば、MBOにおいても、情報の共有化、提供は、可能なはずですから。
01-38
いわゆる、ナレッジマネジメント、ということですね
01-39
そうです。MBOがナレッジマネジメントや【コラボレーション】になってこそ、完璧なシステムとなった、と言えましょう。
01-41
ただし、MBOがナレッジマネジメントとなるには、各人が、目標達成の段取りを、他者にも分かるように、文章表現できなくてはなりません。
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当然、そうでしょうねえ
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この表現のスキルを磨くには、社員各人の、個人的な努力と、上司による適切な指導が欠かせません。
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そのためには、社員の皆さんがMBOの方法を、よく理解すること、つまり、第1段階がまずは必要、ということですね。
01-45
その通りです。
フリーWebカレッジの文字情報の講座で、その方法について、詳しく説明してありますので、初心にかえり、改めて勉強して下さい。
02-01
さて、先生。
MBO、目標管理制度の、究極の効果を目指すにあたり、注意すべきポイントは、なんでしょうか?
02-02
はい。
まず、MBOを人事考課の手法として捉えている人がいるならば、そういう考えを払拭すること、が第一です。
02-03
それは、目標管理を人事考課に使ってはならない、という意味ですか?
02-04
いいえ。そうでは、ありません。目標管理の結果を、人事考課で使うことは、一向に構いません。
02-05
でも、MBOを、人事考課の手法と捉えては、いけないのですよね。
02-06
はい。手法として捉えてはいけません。
なぜならば、本来、MBOは、人事考課があろうと、なかろうと、それ以前に独立した形で運営されるべき制度だからです。
02-08
ただ、目標管理制度を運営すれば、その当然の結果として、評価の上で参考になる情報が出ますので、それを人事考課に使うことは、構わないというわけです。
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MBOが先にありき・・・、ということですね。
02-10
はい。
そして、MBO単独で運営したとしても、充分な意義がある、ということです。
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たしかに、第3段階より上の効果は、評価うんぬんとは別の次元ですものねえ。
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その通りです。
ちなみに、能力開発の成果を評価し、人事考課に反映するという方法もありますが、この場合においても、MBOと人事考課の関係同様です。
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つまり、人事考課のある・なしにかかわらず、能力開発をしなければならない、ということですね。
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はい。そうです。
たしかに、人事考課に反映されないなら、目標達成にしても、能力開発にしても、意欲が沸かない・・・といった人間心理はあるでしょう。
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しかし、この心理に支配されているだけでは、組織体制としては心許ない、と言えます。やはり、個人の心理に加え、組織システムが働くべきです。
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それには、MBOを第4、第5の段階に進めていく必要がある、というわけですね。
はい。
02-18
「目標管理は人事考課の手法」という、評価が主体となった考えに縛られていると、なかなか段階は進んでいきません。引き続き、人事考課に使いながらも、目標管理の主体は、あくまでも目標管理にある、ということを、社員全員に徹底しましょう。
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その他に、注意すべきポイントはありませんか?
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はい。もう一つ、とても重要なポイントがあります。
それは、目標設定した仕事に囚われない、ということです。
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つまり、目標設定した仕事だけが、仕事というわけではない、ということです。
02-23
それは、そうでしょうねえ。パートタイマーや臨時従業員はさておき、色々な仕事を受け持つわけですから・・・
02-24
ええ。
ところが、目標管理に力を入れ過ぎている組織では、目標設定した仕事以外に価値観を感じない、という人が出てくる可能性があります。
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そうですかあ・・・。それは、まずいですねえ・・・
02-26
はい。
MBOを導入しようと、しまいと、社員は日常の職務をちゃんとこなす必要があります。
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当然ですね。
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目標は、日常職務をちゃんとこなした上で、さらに行うべき課題について、設定すべきです。いわば、職務に上乗せする課題、アドオン課題を、MBOの対象とすべきなのです。
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それによって、職務以上の成果を出そうというわけですね。
02-30
はい。そうです。
あと、職務や目標設定した仕事の他に、予期せぬ仕事が発生した場合にも、対応しなければなりません。
02-32
あらかじめ設定する職務や目標だけで済めば、それに越したことはありません。
しかし、経営環境の変化が著しい現代、全く予期しなかった事態が突然、発生する場合もあります。
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まさか、「目標設定した仕事に専念したいから、突然の事態には対応しない」というわけにはいかないでしょう。それでは、組織が環境変化についていけません。
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もし、目標設定した仕事に囚われている傾向がある場合には、日常職務や予期せぬ仕事も、目標と同じように大切であることを、再教育しましょう。
また、評価も、目標管理だけを対象とするのではなく、日常職務、および、予期せぬ仕事も対象とするよう、人事考課の基準を改めましょう。
こうしてバランスをとってこそ、MBOの意義を全社員が理解でき、究極の効果へ向かって進むことができるのです。
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さて、そろそろ、時間となりましたが、さらに詳しくは、文字情報の講座で勉強して頂ければいいですね。
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はい。そうですね。
フリーWebカレッジでは、文字情報のコースの中で、詳しく説明してありますので、ぜひ勉強を続けてください。
また、質問は、電子メールでお寄せ下さい。
匿名のQ&Aとして、Webサイトで公開し、他の受講者の参考にもして頂きます。
アドレスは、info@free-web-college.comです。
02-39
では、先生、最後に復習をお願いして、終わりにしたいと思います。
はい。わかりました。
02-40
復習をします。
1.MBOを、組織の脊髄・神経とした上、ナレッジマネジメントになるべく発展させること。そうしてこそ、「目標達成の事例の共有化」「それを教え合う協力体制」という究極の状態、効果を得ることができるのです。
2.目標管理は人事考課の手法、という考えを払拭すること。目標管理の結果を評価に使うことは構いませんが、だからと言って目標管理は人事考課の手法、という解釈をさせないことが、ナレッジマネジメントと【コラボレーション】へ発展させるために必要です。
3.目標設定した仕事のみならず、日常の職務、予期せぬ仕事も評価の対象とすること。こうしてバランスをとってこそ、全社員の理解を得ることができ、究極の状態、効果に向かって進むことができるのです。
以上、復習でした。
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